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インタビュー
企業の支えとなって日本経済に貢献したい
事務所設立の経緯を教えてください。
弁護士登録後、都内の法律事務所に勤務しました。その後、債権回収会社への出向や法律事務所への移籍を経て、平成27年に現在の事務所を開設しました。
荒川区に事務所を構えたのは、地元への貢献を通じ、日本経済の力になりたいという思いがあったからです。荒川区に生まれ育って、荒川区周辺に多くの優良な中小企業や工場が存在し、これらの企業が日本の経済を支えていることを長年肌で感じてきました。これらの企業や工場は法的サービスに自分からアクセスする機会はあまり多くなく、それによって重要な財産や利益を失うことも少なくありません。荒川区に事務所を構えることで、少しでも法的なサービスを身近に感じてもらうことができれば、そういった企業や工場に対して貢献できる機会が確保され、延いては日本経済の力になることができるのではないかと考え、地元に事務所を構えました。
事務所の理念やポリシーを教えてください。
弁護士の仕事を通じて、「一期一会」という価値を強く感じています。弁護士にとって法的問題は日常茶飯事でも、依頼者にとっては一生に一度のことです。当然ですが、数ある事件の中の1つだという弁護士目線での考えではなく、依頼者目線で1つひとつの事件に真摯に向き合うことを信条としています。
また、私自身のモットーとして「巧詐は拙誠に如かず(こうさはせっせいにしかず)」を掲げています。この言葉には、「巧みにいつわることは、つたなくても誠実であることに及ばない」という意味があります。
茨城県水戸市で司法修習をしていた頃に目にした言葉で、以後私の心に深く残り、今でも私の重要な活動の指針となっています。
企業法務に注力する理由を教えてください。
個人の案件と比較して、企業法務はクライアントと長期的に深い関係を築ける点が特徴だと思います。個人の案件の場合、通常は事件解決とともに委任関係が終了します。一方で企業案件の場合、最初はスポットでの依頼であっても、顧問契約など長期的なパートナーシップに繋がることが多いです。
私たちの提供したサービスが、企業の業績や組織の健全性に影響を与え、継続的な成果を実感できることにも、企業法務のやりがいを感じます。
また、企業にとっても、一貫して同じ弁護士に相談できることは大きなメリットだと思います。弁護士がその企業の業界や特性を深く理解し、最適化したサービスを提供できるため、企業はより充実したサポートを受けることができます。
謙虚な姿勢でクライアントから学ぶ
企業案件ではどのような相談が多いですか。
以前の事務所で多くの訴訟を経験したことから、訴訟事件処理が私の業務の基軸となっています。そのため、訴訟案件や法的紛争に巻き込まれた企業からの相談が多いです。これらの紛争解決からご相談が始まり、その後、顧問契約に発展するケースが少なくありません。
また、従業員による横領など、企業内不祥事への対応も多いです。企業法務において、不祥事が着目されることは少ないかもしれません。しかし、あまり表沙汰になっていないだけで、実際には多くの企業が抱えている問題だと実感しています。
顧問先をはじめ、これまで関わった企業でも、従業員が会社の資産を不正に利用するといったケースを目にすることがありました。このような問題は、個人の権限が強く、内部管理体制が緩い中小企業などによく見受けられます。
企業不祥事に対しては、損害賠償請求や刑事告訴などの法的手段を駆使して、企業の統治を維持し、損害回復を試みることが私たちの役割となります。また、これまでの経験から、不祥事が発生しやすい企業の特徴を把握していますので、そのような傾向が見られるクライアントに対して、予防策や体質改善のアドバイスをすることもあります。
企業案件を扱う際に心がけていることを教えてください。
私たちは法律の専門家ですが、クライアントの事業や業界については基本的に素人です。わからないことは「わからない」と正直に伝え、クライアントから学ぶ姿勢を大切にしています。
こうした姿勢は、クライアントに適した解決策を提供する上で不可欠です。企業の実情を正確に把握しなければ、具体的な解決策を導きだすことはできません。
これまで扱った企業案件で、印象に残っている案件を教えてください。
上場企業の内部管理体制を強化するために、社外取締役として関与したケースがあります。
私は社外取締役としての立場から、会社の内部管理体制の不備等を改善するため、昼夜を問わず、時には代表者と口論することも厭わず、上場会社として備えるべき内部管理体制の確保に向けて様々な働きかけをしました。
しかし、大きな企業にはその長い歴史で培われた習慣があったり、様々な関係者が関わったりしており、限られた期間で、社外役員として改善できることにも限界がありました。結果として、非常に悔しい思いをしました。
個人と比べ、企業のような大きな組織の場合、様々なステークホルダーがいるため、弁護士個人の力が及ぶ範囲も限られます。この案件を通じて、企業案件の難しさを痛感しました。
債権回収の経験と知識を活かしたサポート
企業が弁護士と顧問契約を結ぶメリットにはどのようなものがありますか。
法務部門にコストをかけることが困難であったり、必要性を感じなかったりする企業も少なくないと思います。しかし、コストの観点では、多くの場合、弁護士に支払う顧問料は社内に法務部を設置したり、法務担当の従業員を雇うよりも安価に済みます。
また、顧問契約を結び、継続的に法的問題に関する専門的なアドバイスを受けることができれば、そもそも法的トラブルの発生を抑え、またはトラブルが発生しても拡大する前に適切に対処することにつながり、経済的な損失を最小限に抑えることにつながります。
トータルで見ると、直ちに法的なトラブルが顕在化していない企業でも、弁護士を顧問として抱える経済的メリットは大きいといえます。
今後の展望を教えてください。
ひとつには、債権回収会社で培った経験を活かし、企業に対して債権回収に関する専門的なサポートを提供できると考えています。たとえば、企業が小口の債権を多数保有している場合に、自社でそれらの債権を効率的に回収するための仕組作り(債権の区分の設定や区分に応じた督促文書の最適化など)をご提案できます。
回収業務を外部に委託するには相当のコストを見ておかなければいけませんし、かえって顧客の情報に直接接触している自社だからこそその情報を有効に回収に活かせる場合もあります。
高額の債権や成立に争いがある債権などについては別ですが、日常業務で生じる小口の債権については、できる限り効果的な回収の仕組を作っておき、回収業務を内製化することが、安定経営につながると考えています。
最後に、企業法務の問題で悩んでいる方へメッセージをお願いします。
早めにご相談いただくことがなによりも大事だと思います。実際にご相談をお受けしていても、どうしてもっと早くに弁護士に相談しなかったのかと、悔やまれるご相談が少なくありません。
弁護士に相談するべき内容か、この段階で相談して良いものか、そう迷われることがあると思います。しかし、相談していただければ、弁護士の方で、弁護士として対応するべき問題か、他の士業に相談するべき問題か、まだ対応する必要のない問題かなどを判断し、適切にご提案いたしますので、まずは迷わずご相談ください。
当事務所では、初回30分無料での相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。