企業法務弁護士 ドットコム

法律事務所maru

企業のパートナーとして法律トラブルの予防・早期円満解決に取り組み、順調な企業活動をサポート

東京都葛飾区で「法律事務所maru」を経営する田口 泰規弁護士(第二東京弁護士会所属)に、仕事をする上での心構えや、企業法務について弁護士に相談・依頼をするメリットなどを伺いました。依頼者と相手方双方への理解を深め、お互いが納得できる解決を目指しているという田口弁護士。円満解決を導くために心がけていることや、企業が法律トラブルの予防に取り組むことの重要性なども詳しく聞きました。

法律事務所maru(東京都葛飾区)田口泰規弁護士_メイン画像
田口 泰規弁護士
法律事務所maru
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インタビュー

当事者双方のニーズが満たされる、円満な解決を目指す

2021年に現在の事務所「法律事務所maru」を開設されたということですが、独立に至った経緯を伺えますか。

弁護士になった当初から、「裁判に強い弁護士になりたい」という思いがあり、勤務弁護士時代は裁判の技術を磨くことに重点を置いていました。しかし、経験を積む中で、裁判で勝つか負けるかは、弁護士の技術だけで決まるわけではないことが分かってきたんです。

例えば、裁判官が交代することによって、それまでの流れが悪い方向に変わってしまったり、裁判を進めていく過程で想定外の事実が出てきて、大幅な方針転換を余儀なくされたり…。こうした経験を通じて、いくら裁判の技術を高めても、負けるときは負けるんだということに気づきました。

また、最終的には勝訴した事件でも、相手方との間に遺恨が残ったり、終結までに時間がかかって依頼者に負担をかけてしまったりしたこともありました。裁判には勝てたけれど、失うものも出てきたという結果は、依頼者にとって最善と言えるのかーー。そんな疑問も湧いてきました。

そのような経験をする中で、勝つか負けるかという結果を追求するのではなく、中身のところで良い解決、つまり当事者双方のニーズが満たされる解決を目指すことが大切なのではないかと考えを改めました。

そして、良い解決を目指すならば、必ずしも裁判で白黒つけるのではなく、話合いや調停で合意解決することに注力したいと思うようになりました。目指す方向性が見えてきた段階で、自分が理想とする解決の形を追求したいと考え、独立を決心しました。

法律事務所maru_事務所外観

「法律事務所maru」という事務所名には、どのような想いを込めているのですか。

maru(マル)は、読んで字の通り「丸」であり、「円」「輪」という意味もあります。音の響きから「縁」や「和」、つまり「縁結び」や「調和」といった言葉も想起できますし、「循環」「円満」などにもつながります。このように、色々な意味を込めてmaruという名前をつけました。maruから浮かび上がるイメージはどれも、私が目指す「良い解決」に通じています。

先生が目指す「当事者双方のニーズが満たされる解決」を実現するために、具体的に取り組んでいることを教えてください。

1つは、依頼者の話をよく聞くことです。依頼者がどんなことに悩んでいて、今どんな気持ちでいるのか、最終的にどんなことを実現したいと考えているのか、といったことをしっかり聞きます。全ての出発点になる、一番大事なポイントです。

依頼者の中でまだ方向性が定まらずモヤモヤしている場合は、私から「こういうことですか?」と質問したりして、依頼者の思いを引き出し、言語化するためのお手伝いをすることもあります。

もう1つは、相手方を理解しようとすることです。何を望んでいるのか、なぜそのような主張をしているのかーー。100%理解することはできませんが、相手方に興味を持ち、少しでも深く知ろうとする姿勢を大切にしています。

直接話を聞くこともありますし、それが難しい場合は、資料から想像したり、依頼者と意見交換しながら「相手はどう考えているんだろうね」と推測したりすることもあります。相手方の弁護士を通じて、本人がどんなことを考えているのか聞いてみたりすることもありますね。

相手方が考えていることを探求する理由は、問題解決のヒントを得られるからです。「当事者同士の話合いは難しそうだけど第三者を間に入れればうまくいきそう」「裁判所の助けを借りたいので、調停を申し立てよう」「今回ばかりは訴訟を起こさざるを得ない」というように、相手方への理解を深めることで、こちらが次にどう動けばいいのかが見えてきます。

依頼者も相手方も納得できる解決を導くために、様々な角度から事案を見つめてベストな対応を見極めることを大切にしています。

法律事務所maru_事務所内観

順調な経営を続けるために、事前の対策でトラブルを予防

企業法務に注力されている理由を教えてください。

例えば、離婚や相続に関して悩みを抱えている方は、大抵、何らかのトラブルが起きてから相談に来ます。一方、企業法務の場合は、トラブルが起きる前の、ちょっとした不安や疑問が生じた段階で相談に来る方が比較的多いです。

企業法務において、起きてしまったトラブルを早期に解決することはもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは、そもそもトラブルが起きないように予防することです。

企業活動の中でトラブルが起きると、業務が停滞して売り上げが減少したり、最悪の場合は倒産や休廃業などの事態に至る可能性があります。そして企業活動における問題は、従業員やその家族、取引先など広範囲に影響を及ぼします。

順調に経営を続けるためには、事前に対策をしてトラブルを予防することが非常に大事です。適切な予防をすることで企業をトラブルから守るお手伝いをしたい思い、注力しています。相談に来られた方の話を聞いて、トラブルの芽があれば早めに摘み取り、今後トラブルが起きないようにするための対策を一緒に考えていきます。

また、企業活動は、従業員や取引先など、様々な人の協力のもと成り立っています。トラブルの予防においても、トラブル発生時の対処においても、経営者の利益だけを重視するのではなく、関係当事者が納得できる対応が求められます。関係当事者の話を聞きながら調整するという、私が目指す解決の方向性とマッチすることも、企業法務に注力する理由です。

企業法務について、よくある相談内容を教えてください。

一番多いのは契約書のチェックです。また、日々の業務の中で発生するちょっとした疑問や心配事に関する相談も寄せられます。たとえば、取引先から不当な要求を受けた場合の断り方や、売掛金の回収方法、従業員からの要求への対応方法などです。

法律事務所maru_田口泰規弁護士記事内画像

状況を踏まえた適切な対応で、一触即発のトラブルも話合いで解決

企業法務について弁護士に相談するメリットは何でしょうか。

企業活動においては、日々、実に様々なことが起きます。全ての出来事に対して、「こういう場合はこうする」というマニュアルがあればいいですが、実際はそうではなく、その場その場の状況に応じて臨機応変に判断し、対応しなければなりません。

経営者の方は、会社経営においては色々な経験をされていて、弁護士よりはるかに豊富な知識や経験をお持ちです。ただ、法律に関するトラブルが発生した場合は、どのように対応すべきかわからないところも出てくると思います。そのような場合に弁護士に相談していただければ、法律の専門知識や企業法務のノウハウに基づいて、これからの見通しや適切な対処法をお伝えできます。

トラブルが起きてしまった場合はぜひ早めに相談していただきたいですが、それ以上に大事なのは、やはり、トラブルを防ぐために弁護士を活用することだと思います。危ないな、不安だな、と思ったときには、まず弁護士に相談していただきたいですね。トラブルを未然に防ぎ、万が一トラブルが起きても速やかに対処するための対策を一緒に考えていきましょう。

これまで取り組まれてきた企業法務案件の中で、印象に残っているものはありますか。

色々ありますが、特に印象深いのは、ある企業が始めた新規事業に伴うトラブルを解決したときのことです。

賃貸事業を新しくスタートしたのですが、あるとき、入居者との間でトラブルが発生しました。主な原因となったのは、建物の使用時間や使用方法といった賃貸条件の認識が異なっていたことです。私が企業側の代理人として依頼を受けた時点では、企業と入居者との緊張関係がかなり大きく、話合いで解決することは難しい状況でした。

裁判を起こすことも1つの選択肢ですが、決着がつくまでに多大な時間と労力が必要になり、依頼者にも相手方にも負担がかかるため、得策とは言えません。かといって、当事者同士で話し合っても平行線をたどるだけです。

そこで考えたのが、中間的な立場として管理会社に入ってもらうことでした。弁護士が表に出るとすぐに裁判に発展しかねない一触即発の状況だったので、私は裏から管理会社に指示をして、企業側の意向が反映されるように働きかけを行いました。管理会社に調整役を果たしてもらったことで、入居者との交渉がスムーズに進み、最終的には話合いで合意することができました。

当事者の関係性を考慮して、管理会社を間に入れるというやり方が功を奏し、裁判を回避して紛争を収められた案件として印象に残っています。

企業法務について弁護士への相談・依頼を検討している方へメッセージをお願いします。

企業活動においては、様々なトラブルが発生します。トラブルを回避して順調に経営を続けるために、法律をツールとして様々なアプローチができます。御社の目的を達成するためにベストな方法を見極め、サポートできればと思いますので、お気軽にご連絡ください。