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インタビュー
特許を扱う弁護士になるために理系から文系へ転身
事務所設立の経緯を教えてください。
弁護士登録後、都内の大手法律事務所に入所しました。当時その事務所では、入所して3年経った頃に海外に留学することが一般的でした。私もその流れに従い、ニューヨーク大学ロースクールに留学しました。
留学を終え帰国した後、特許権侵害訴訟専門の法律事務所で経験を積み、1997年に独立して現在の事務所を開設しました。
企業法務についてよくある相談内容を教えてください。
弊所では、企業法務の中でも特に特許侵害事件に力を入れています。「他社から特許権侵害で訴えられた」という相談や、「競合他社に特許権の侵害を受けている」という相談が寄せられます。
特許侵害事件に注力している理由を教えて下さい。
父親が弁理士をしており、親戚に特許関連の仕事に携わっている弁護士もいたため、弁護士を志す前から特許には関心がありました。
また、東京大学理科一類に入学し、2年生までは数学や物理学などの理系科目を学んでいました。授業を通じて科学や技術に関する理解を深める中で、特許に関する仕事に興味を持ち、様々な仕事の中で最も魅力を感じたのが弁護士でした。理系から文系に転身し、司法試験合格を目指して日夜勉強に励みました。
特許制度は、一般的な弁護士にとって馴染みのない領域であり、特許侵害事件を扱うには一定の知識とスキルが必要です。そのため、技術に関する知識を持っていることが、特許侵害事件において強みになると考えています。
発明者の協力を得ることが重要
特許案件を扱う上で心がけていることはありますか。
特許案件では、発明の内容や意義を正しく理解し、裁判所にその重要性を伝えることが肝心です。そのためには、最新の技術について学ぶことはもちろんですが、発明者の説明をしっかり聞くことが重要です。
特に原告側の場合、発明者から説明を受ける機会が増えます。書面だけでは理解が及ばないことを、発明者の協力を得て理解を深めることが、裁判を進める上で重要だと考えています。
特許案件に関して、弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。
新しい設計の製品について特許調査を行い、問題の可能性について一緒に検討することで、特許侵害を回避するための具体的なアドバイスを得ることができます。
弁護士は特許法や関連する法律に詳しいだけでなく、過去の判例にも精通しているため、クライアントの業界や市場における状況を考慮しながら、ビジネスを保護するための最適なアドバイスを提案することができます。
裁判史で唯一の事例となった特許侵害訴訟を担当
これまでの活動で印象に残ってる案件を教えてください。
「生海苔の異物除去機」に関する特許侵害訴訟が印象深いです。この案件では、クライアントが持つ特許権と相手方の技術とが完全に一致しなかったため、特許侵害が成立するか難しい状況でした。しかし、実質的に同じであるという「均等侵害」が認められ、勝訴しました。
当時、侵害裁判において均等が認められたケースが少なかったため、この事件は注目を浴びることとなりました。
しかしその後、この特許が無効となり、再審によって特許侵害の判決が取り消されたのです。さらに、この事件ののちに特許法が改正され、特許が無効となった場合でも、再審の対象にはならないという法律が導入されました。
そのため、特許侵害を認定した確定判決が再審で取り消された唯一の事件として、特許侵害を扱う弁護士たちの間で広く知られています。
判例の少ないケースで勝訴したことと、極めて珍しい裁判に関わったことがとても印象に残っています。
事務所の強みや特徴を教えてください。
特許侵害訴訟に豊富な経験があります。また、理系の基礎知識があるので、技術内容の理解力が高いと思います。
豊富な知識と経験を駆使して冷静な見通しを立て、適切なアドバイスをしながら、クライアントをサポートいたします。
最後に、企業法務でトラブルを抱えている方へメッセージをお願いします。
特許侵害で訴えられたり、侵害を受けているといった悩みを抱えていたら、すぐにご相談ください。特許問題では、経験豊富で技術的な理解にすぐれた弁護士に依頼することが、効率的かつ適切な解決につながると思います。
皆様のご相談に真摯に向き合い、最善の解決策を見極めて、サポートいたします。どんな些細な問題でもお気軽にご相談ください。