
インタビュー
司法書士から弁護士への転身「クライアントの要望をワンストップで解決したい」
事務所設立の経緯を教えてください。
私はもともと司法書士として、不動産登記や商業法人登記などを取り扱っていました。しかし、17年間司法書士を続ける中で、業務範囲の限界を感じていました。
司法書士は法律上、訴額140万円を超える民事事件を扱うことができません。そのため、クライアントから受けた相談が司法書士では扱えない内容だった場合、弁護士を紹介するなどの対応をしなければなりませんでした。そうなると事件が私の手から離れてしまうため、進捗状況を把握できなかったり、紹介した弁護士に対する苦情をクライアントから受けたりするなど、もどかしく思うことが多々ありました。
自分が弁護士資格を取得すれば、ワンストップのサービスを提供できる。そのように考えて司法試験受験を決意し、2023年の弁護士登録と同時に「インテンス法律事務所」を開設しました。
事務所の理念や、仕事をする上で心がけていることを教えてください。
業務に対する熱量とスピードを大事にしています。当事務所は司法書士事務所としてスタートした経緯から、不動産関係や金融関係のクライアントが多いのですが、これらの業界の方は、仕事に情熱を持って取り組んでいる方が多い印象を受けます。量やスピードなど、弁護士に求められる要求水準も高いため、最高のサービスを提供するためには、クライアントと同じ熱量で取り組まなければならないと感じています。
また、企業案件には取引先との契約締結日といった期日が設けられていたり、就業時間という時間の制約がある中で対応しなければならないため、スピード感が重要です。当事務所ではメールやチャットツールを駆使し、お問い合わせには迅速に対応します。私自身も、多いときは1日50通のメールやチャットを返していますし、不動産関係は土日に営業している会社も多いため、休日でも対応するように心がけています。
事務所の強みを教えてください。
司法書士として不動産の売買業務や登記申請業務を取り扱っていましたので、不動産関係に精通しています。不動産に関する法令はもちろん、業界特有のルールや事情も理解していますので、幅広い相談に柔軟に対応できます。
また、迅速な対応も強みです。弁護士と一般企業では、根本的に時間の使い方が違うように感じます。たとえば、弁護士は時間をかけてでもしっかり調査することや、正確な書類を作ることを重要視します。一方、一般企業では何よりもスピードが求められます。
企業が求めるスピードに合わせるためには、柔軟な姿勢とフットワークの軽さが大切です。打ち合わせがしたいと言われればすぐに訪問し、問い合わせを受けたら迅速に回答する。これは私が司法書士時代から心がけていたことで、弁護士になってからも意識していることです。クライアントが求めるスピード感を理解していることが、強みではないかと思います。
数字で結果が表れるのが企業法務のおもしろさ
依頼の多い業界や得意とする業界があれば教えてください。
不動産関係は司法書士時代から取り扱っていましたので、現在でも多くの依頼を受けています。また、私自身が不動産会社を起業して、借地権やアパート・マンションの管理業務から生じる様々な問題に取り組んできましたので、経営者としての視点を持ちながら、不動産問題に対応することが可能です。
金融関係も不動産関係同様、司法書士時代から関わりがありました。また、債権回収会社(サービサー)の役員を務めた経験から、債権回収の知見もあります。
企業法務のやりがいをどんなところに感じていますか?
結果が数字に反映されやすく、仕事の成果がわかりやすい点にやりがいを感じます。私がリーガルチェックした契約書で取引が成立したり、顧問先企業の業績が上がったりすると、クライアントから感謝の言葉をいただくことがあります。そのようなときに、企業の成長に貢献できたことを感じられ、嬉しく思います。
最後に、企業法務に関して相談を検討されている方に向けてメッセージをお願いします。
弁護士に相談することを大袈裟に考えず、気軽に相談していただきたいです。「弁護士に相談するほどのことではない」と軽く考えていた問題が、大ごとになってしまうこともあります。トラブルは時間が経つほど複雑になり、解決が難しくなります。
当事務所では「予防法務」を推奨しています。些細な疑問や不安など、問題が発生する前にご相談いただければ、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
「試しに相談してみる」という軽い気持ちで構いませんので、気軽にご連絡ください。