企業法務弁護士 ドットコム

弁護士法人樋口国際法律事務所

中小企業やベンチャーの海外展開を積極支援〜豊富な経験をもとに紛争を予防し、企業の発展を支える

東京都千代田区に事務所を構え、一般的な企業法務案件のほか、海外企業との取引など国際的な案件にも豊富な実績を持つ樋口一磨弁護士(樋口国際法律事務所)。海外進出を検討する中小企業の支援にも注力し、現地の法律や規制の調査、契約書の作成などを通して、ビジネスの成功をサポートしています。企業法務の案件に取り組む上での心構えや、弁護士への相談・依頼が企業にもたらすメリットなどについて伺いました。(東京弁護士会所属)

弁護士法人樋口国際法律事務所(東京都千代田区)樋口一磨弁護士_メイン画像
樋口 一磨弁護士
弁護士法人樋口国際法律事務所

インタビュー

国際案件に強み。海外企業とのM&Aや契約交渉も手がける

事務所設立の経緯を教えてください。

2004年の弁護士登録後、企業法務に強い事務所に入所して経験を積み、3年目にアメリカのロースクールに留学しました。シカゴの法律事務所での在任期間中にニューヨーク州の法曹資格を取得し、帰国後はもともと在籍していた事務所に戻って、留学で得た知識と経験を活かしながら多種多様な企業案件に取り組みました。

帰国して仕事をする中で気づいたのは、中小企業やベンチャー企業の一般的な法務案件を扱う弁護士は多くいるけれど、国際的な案件となると対応できる人が非常に少ないことです。

国内の業務だけではなく、海外企業との取引などの国際案件も取り扱える事務所を作りたいと考えて、2011年に独立しました。これまで10年以上にわたって国際案件に取り組み、北米・欧州・アジアの主要国と独自のネットワークを構築してきました。語学力を活かし、英文契約書のレビュー・作成や、相手方との英語での交渉なども承っています。

現在取り扱っているのは、国内企業の一般的な法務案件が5割程度で、残りは中小企業のアウトバウンドに関する案件が多いです。企業からの依頼だけではなく、一般民事や家事事件などの個人案件も扱っています。国際相続の依頼にも対応可能です。

企業法務について、どんな内容の相談を受けていますか。

人事・労務関係のトラブルや債権回収、知的財産が絡むケースなど、幅広い相談が寄せられます。国際案件では、これから海外進出をしようと考えている企業から相談を受けることが多いです。現地のパートナーとの秘密保持契約の締結や拠点の立ち上げなど、海外でのビジネス展開に伴う手続き全般をワンストップで承っています。

今までに取り扱った国際案件は、日本企業とオランダ企業のM&Aや、海外の大手ホテルチェーンからライセンスを得て日本でホテルを開業するときの契約交渉など様々です。誰もが知っている上場企業の案件もあれば、立ち上げて間もないベンチャー企業からの依頼も寄せられます。

事務所の方針や理念は何でしょうか。

企業に関わるすべての人の役に立ちたいという思いで、1つひとつの案件に丁寧に向き合っています。そもそも仕事というのは、人・企業とのご縁があってこそいただけるものだと思っています。私を信頼して依頼してくださった方々の期待に最大限応えるために、どのような案件に取り組む際にもベストを尽くすことを信念としています。

企業の経営に関わる全ての人の幸せを願って

多様な規模・業種の企業案件に取り組まれていますが、中でも中小企業の案件に力を入れていると伺いました。

中小企業は日本の企業数の圧倒的多数を占め、経済の基盤となっています。この国の活力の源である中小企業を紛争から守りたいという思いで法的サポートを提供しています。

大企業とは異なり、大半の中小企業は社内に法務担当者を置いていません。法律に精通している人が身近にいないため、リーガルチェックを受けないまま雛形どおりの契約書を使っていたり、法改正に合わせて社内のルールを整備していなかったりと、法的リスクへの備えが十分ではない企業が多いといえます。

ひとたび紛争が発生した場合、解決までには多大なコストがかかり、経営資源が乏しい中小企業は大きな打撃を受けます。そのような事態を防ぐために、何もトラブルが起きていない段階から予防法務のアドバイスを提供し、安心して経営を続けていくための支えになりたいと思っています。

中小企業の海外進出も支援しているそうですね。

日本は人口が減り、社会全体が縮小する流れにありますが、海外に進出してモノやサービスを売ることで成長できる中小企業は数多くあると思っています。

ただ、何のリソースもないまま裸一貫で飛び出した場合、痛い目にあって帰ってくることになる可能性があります。海外展開の形式を検討する段階から相談に乗り、対象国の法律や規制の調査、契約書作成などを通じてリスクヘッジのお手伝いをしています。万が一トラブルが発生した際には迅速・適切に対処し、ビジネスへの影響を最小限に抑えます。

企業法務案件を扱う際に心がけていることはありますか。

各企業の事業内容や経営状況を理解することはもちろん、経営者の性格や考え方まで把握するように努めています。契約書作成1つとっても、経営者のニーズを正確に理解しているかどうかで、盛り込む条項の内容は変わってきます。最大限満足してもらえる仕事をするために、密にコミュニケーションを取ることを大切にしています。

企業法務案件において、弁護士はブレーキ役だと思っています。たとえば、経営者から「新規事業を始めたい」と相談を受けた場合に、法律上の問題点や想定されるリスクを検討し、一旦立ち止まって見直すように提案するのが私たちの役割です。

ただし、どの程度ブレーキをかけるかはケースバイケースです。ブレーキが強すぎると、経営者の勢いを削いでしまう可能性があります。経営者自身がアクセルとブレーキを上手く使い分けられるタイプの場合、あえてこちらが踏み込みすぎない方がいいこともあります。こうした微妙なバランスを見極める上でも、経営者の人となりをよく知ることは必須だと思っています。

企業法務案件に取り組むやりがいや意義は何でしょうか。

企業は経営者が1人で動かしているのではなく、従業員や取引先など、様々な人が関わることで成り立っています。企業が健全に成長することは、関わる人全てにとってハッピーなことですよね。逆に、企業の経営が傾いた場合、広範囲にその影響が及ぶことになります。

企業がビジネスを進める中で、思わぬところで転んでケガをしないようにする、そのために必須となるのが予防法務だと思っています。特に海外ビジネスにおいては、文化の違いやコミュニケーション不足などから、国内取引よりもトラブルが生じやすい傾向があります。弁護士が介入し、リスク回避の対策を講じる意義は大きいと思います。

案件を依頼してくださる企業の中には、ビジネスを立ち上げたばかりで、法律面の整備にほとんど手が回っていないところもあります。トラブルが起こりにくい強固な基盤を作るために、経営者と意見を交わしながら仕組みを構築する過程は非常にやりがいがあります。

法律問題の「かかりつけ医」として弁護士を活用してほしい

企業法務について弁護士のサポートを受けたい場合、どのようなタイミングで相談するとよいですか。

顧問契約を結んでいる企業にはいつも「何となくモヤモヤしたら、その段階で相談してください」と伝えています。将来トラブルに発展しうる芽は、早めに発見して摘んでおくに越したことはありません。

たとえば、ビジネスはいきなり契約書を交わすわけではなく、最初に「こういう内容の取引をしましょう」と打ち合わせをしますよね。打ち合わせで合意した内容を契約書として書面にまとめて、それを交わすことで契約が成立します。

打ち合わせをしていて、「相手からの要請を承諾していいのか」「この取引をすることで不利益を被るのではないか」といった不安がよぎったときは、契約を結ぶ前に弁護士に相談してください。取引の内容や条件にリスクがないか検討し、リスクがある場合は、見直すべき部分や相手方に修正を要請する際の交渉方法についてアドバイスします。契約書を交わす際にも、事前に書面の内容を確認し、記載内容に不備がないか、自社にとって不利な内容になっていないかを確認し、万全の状態で契約を締結できるようサポートします。

弁護士に相談せずに契約を進めると、自社に不利な条項が含まれていることに気づかないまま書面にサインしてしまい、後々トラブルに発展する可能性があります。一度トラブルが起きると、収束のためには多大なコストがかかり、企業の発展に大きな影響が及びます。

トラブルは、事前に対策をすることで十分に防ぐことができます。起きてしまったトラブルを解決することはもちろん弁護士の仕事ですが、ぜひ、転ばぬ先の杖としても活用してもらいたいですね。最も意味のある弁護士の使い方だと思います。

企業法務に関する悩みを抱えている方へアドバイスをお願いします。

体調が悪いとき、かかりつけ医がいれば、「とりあえず診てもらおう」と思いますよね。私が目指しているのは、法律問題におけるかかりつけ医です。少しでも不安を感じたり、疑問が生じたりしたときに、電話やメール1本で気軽に相談できる。そんな存在になりたいと思っています。

たった1人でベンチャー企業を立ち上げたばかりの大学生が、顧問を依頼したいということで連絡をくれたこともあります。会社の規模や業種は問いません。弁護士のアドバイスを必要とされているなら、どなたでも気軽に相談していただければと思います。トラブルを未然に防ぎ、会社を成長させていくために、全力でサポートいたします。