企業法務弁護士 ドットコム

心斎橋中央法律事務所

企業とのコミュニケーションを重視。経営理念や背景事情を踏まえたアドバイスで経営者に寄り添う

大阪府大阪市中央区南船場に「心斎橋中央法律事務所」を構え、IT、製造、建築、運送、倉庫、太陽光発電など多種多様な業界の企業をサポートする藤内健吉弁護士(大阪弁護士会所属)。弁護士になった当初から企業法務に携わり、豊富な経験があります。そんな藤内弁護士に、企業法務案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みなどを聞きました。

企業とのコミュニケーションを重視。経営理念や背景事情を踏まえたアドバイスで経営者に寄り添う
藤内 健吉弁護士
心斎橋中央法律事務所

インタビュー

企業の数年先を見据えた長期的な視点でアドバイスを行う

事務所設立の経緯を教えてください。

弁護士になった当初から、いずれは独立したいと思っていました。独立前に勤務弁護士として働いていた大阪の法律事務所では、入所から6〜7年後に独立するか、あるいはパートナーになるかを選択することが慣例だったので、私もそのタイミングで独立しました。

私の出身地は徳島で、大学進学を機に大阪に移りました。司法修習地は徳島でしたが、大阪の環境の方が自分に合っていると感じ、就職してからはずっと大阪で過ごしています。

事務所の理念や、大切にしていることを教えてください。

経営者の意向をなるべく尊重することです。法律問題は、誰が見ても違法と言えるものばかりではありません。契約内容や実作業を変更することで合法となる余地があるものもあり、そのような場合には、経営者の意向にできる限り沿う方針を示したいと考えています。

同時に、法的な見通しやリスクを明確に説明することを心がけています。リスクを踏まえた上で、どのような選択肢を取り得るかを、経営者と一緒に考えるようにしています。企業法務の場合には、経営者と長い付き合いになる可能性があるので、依頼された事件を解決するだけでなく、数年先まで見据えた長期的な視点でのアドバイスを提供しています。

また、依頼者が法務部の担当者である場合には、その企業内での法務部の役割や他部門との関係性なども考慮し、どの程度のアドバイスが求められているかを理解した上で話すようにしています。

例えば、契約を検討する際に、営業部を抑えるつもりで法的リスクを強調してほしいのか、あるいは契約を進める前提だけれども、法務部の責任として法的リスクを指摘しておきたいのかなど、ニュアンスに応じた伝え方を心掛けています。

企業法務に注力している理由を教えてください。

企業と継続的な関係を築ける点に魅力を感じているからです。

企業の顧問弁護士になると、紛争が生じたときだけでなく、日常的な契約書作成や、社内体制の整備、人事制度などに関わることで、紛争を予防するためのサポートができます。

実際に紛争が発生してしまった場合でも、これまで経営者に伝えたアドバイスが有効であり、紛争解決に向けてよい影響を及ぼしていることを実感できることがあります。

それまで企業と築いてきた信頼関係によって経営者や担当者に納得してもらえる解決ができたときや、自らが関与した契約書や合意書によって法的なリスクを回避できたときには、大きなやりがいを感じます。

どの業界からの相談が多いですか。

ソフトウェア開発やSE派遣などのIT業界が最も多いです。そのほかにも、製造業のメーカーや、太陽光発電業者、建築業者、運送業、倉庫業など、幅広い業種からの相談があります。

会社の規模としては、中小企業がメインです。従業員が10人未満の小規模な企業や、個人事業のような一人会社も少なくありません。

どのような相談が寄せられますか。

最も多いのは契約書のチェックです。

労務に関する相談も多くあります。従業員の退職に関する問題や、パワハラ・セクハラの問題、ある従業員を解雇できるか、懲戒処分できるかといった相談などがあります。

従業員との紛争は以前よりも増加していると感じます。従業員側の権利意識の高まりや、終身雇用制の崩壊により雇用関係が流動的になったことも理由にあると思います。

また、実際問題、回収まで至るのは困難ですが、債権回収に関する相談もありますし、行政から指導を受けた際の対応やM&Aの契約交渉など、幅広い事業上の相談を受けています。

心斎橋中央法律事務所_事務所入口

様々な業界のやり方を知ることで、より広い視野を持ってリスクに対応できる

弁護士と顧問契約を結ぶメリットは何ですか。

トラブルが大きくなる前に対応できる体制作りができる点と、裁判などの最終的な法的処分を見据えた対応ができる点です。

会社経営にエネルギーを注いでいると、トラブルが生じていてもそれに気付けないかもしれません。弁護士に相談してよいか判断に迷うこともあるでしょう。

顧問契約を結んでいる場合には、まだ紛争になっていなくても相談をしやすい関係性を持てますし、私自身も会社内部のことを把握できているので、気軽に疑問や不安があればそのときに相談できます。経営者が「ちょっと聞きたいな」と思ったときにはすぐに電話相談できる体制を整えています。

実際にトラブルが生じた場合には、最終的には裁判や行政機関の法的な処分が下されることになります。裁判所や行政機関に説明するためには、事実関係や証拠の有無を適切に把握する必要があります。最終的な法的処分も見据えた対応をするには、法律の専門家である弁護士のサポートを受けることが最善だと思います。

弁護士なしで意思決定することのリスクを教えてください。

弁護を介さないことによって、費用や時間を節約できるというメリットは確かにありますが、カバーしきれないリスクが存在することは否めません。

弁護士に相談することで、他の企業や違う業界のやり方を踏まえたアドバイスを得られる可能性があります。最終的には法律的な判断になりますが、様々な業界におけるやり方を知ることで、選択肢が広がり、より広い視野を持ってリスクを抑えられるのではないかと思います。

単発の依頼は可能ですか。また、初対面でも顧問をお願いすることはできますか。

単発の依頼も大丈夫です。依頼内容を電話やメールでお知らせください。

初対面の企業から顧問を依頼されることもあります。今まで顧問がいなかった企業だけではなく、今契約している顧問の高齢化などにより新しい顧問を探している企業から問い合わせをいただくこともあります。

初回相談の流れを教えてください。

まずは電話やメールでご連絡いただき、どのような相談をしたいのかを簡単に伺います。紛争に関する相談であれば、電話やメールの段階で簡単に事実関係を伺い、簡易的な見通しをお伝えした上で、事務所やオンラインでの相談をご案内します。

契約書チェックの依頼であれば、ある程度の叩き台となる契約書が既にあるのか、新規での作成を希望するのかを確認した上で、費用をご案内します。費用に納得いただければ、具体的な内容をヒアリングし、契約書のチェックや作成に取りかかります。

中には、事前のやり取りよりも直接会って口頭での説明を希望する方もいます。そのような場合には、日程調整のみを行い、当日に資料を持参いただいて話を聞くこともあります。

相談内容やご希望により柔軟に対応しているので、まずは電話やメールでお気軽にご連絡ください。

事務所の強みを教えてください。

「話しやすい」ことです。相談に対して、法的な回答をすぐに伝えるのではなく、背景事情や企業について十分に話を聞いてからアドバイスをするようにしていますし、法的な結論は別として依頼者の意見も十分に尊重したいと思っていますので、依頼者に評価されていると思っており、私の強みと言えるのではないかと思います。

選択肢が少ない中でも最大限の努力をすることで、納得して前を向ける

これまで携わった案件で印象に残っている案件はありますか。

親族間の経営権争いに関する案件が印象に残っています。

依頼者は会社の創業者の息子さんでした。会社の状況からすると、自らが新たな代表者として経営権を獲得したいという意向をお持ちで、私もその方向性に共感できたので、ご依頼を受けることとなりました。

通常の案件よりも会社内部に踏み込む形で、経営権を交代すべきであることを会社関係者に説明することとなり、その結果、株主の一部がこちら側の主張に理解を示し、無事に経営権を獲得できました。

弁護士として、依頼者の思いに深く共感し、実現できたことに大きなやりがいを感じた案件でした。

企業法務について弁護士への相談を検討している方へのメッセージをお願いします。

経営者は、会社組織のトップという立場上、会社内部のトラブルを相談できずに一人で抱えがちです。家族経営の場合には、親族関係の問題もあるため、より一層第三者に相談しづらいことと思います。

そのような場合の信頼できる相談先として、ぜひ弁護士を活用してください。顧問弁護士として日頃から経営状況や人間関係を把握することで、いざ問題が生じたときにスムーズな対応ができます。

取引先との問題や裁判などでは、決定権が取引先や裁判所にあり、こちら側の選択肢が少ない場合もありますが、その中で最大限の努力をすることが、納得して次に進む上で大切です。企業にとって最良の選択になるよう全力でサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。